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ならないとのこと。
CNG車は、既に200台くらいの納入実績があり、インフラ整備の必要があるものの、今後も普及が期待される。車両価格はディーゼル低床バス比117%くらいで、事業者の許容レベルが115%程度といわれていることから、リーズナブルといえる。
ハイブリッド車関連では、ベンツではガイドウェイバス、デュオバスなどマルチモードの車両を1980年代初めから開発し、いくつかの都市での実績があり、その延長線でとらえられている。ガイドウェイの有無、トロリーの有無、ディーゼル・電気の切り替えの有無などで、様々な組み合わせが可能となっているが、低床化と電気駆動の両立のため、ZFと共同でハブモータ組み込みリヤアクズルを開発し、その応用として、次世代のデュオバス、ハイブリッドバスが検討されてきた。現在までに、ディーゼル発電、トロリー、バッテリを動力源としたモータ駆動の連節バス(O405GNTD)、バッテリ駆動の走行を念頭に置いたハイブリッドバス(O405NH)がモデルとして用意され、チューリッヒ、オーバーストロワなどで試験走行中で、来年にはスツッツガルトに17台とまとまった数が投入される予定である。ハイブリッド車への要求は、ゼロエミッション走行の必要性であり、2t近くのバッテリを積み、30km程度のバッテリ走行を可能としなければならない。ベンツとしては、ディーゼル発電、モータ駆動とすることで、ディーゼル駆動よりも総合的な効率エミッションを良くできると認識しており、モータ駆動のもとで、パワーソースを様々な形態を可能として、マルチモードによる多種対応性を用意している。既にプロトタイプによる試験の段階は終了し、量産車が製造される段階になっている。残念ながら、現在の車両価格は従来車比130%程度と高価なもので、事業者の許容レベル115%を大きく上回っているが、環境問題に対する政治的判断から、今後徐々に増えていくことが期待されている。

 

(8)オートバスRAI96
オートバスRAIは、オランダで隔年に開催される国際バスショウで、ベルギーのコルトライクショウとならび、世界の2合ショウとなっている。今年は通算5回目であり、マーストリヒトで開催されるようになってからは、3回目である。展示規模は、毎回百台以上のバス(大型から小型まで、観光用コーチから路線バスまで各種あり)が揃い、最大級である。ここでは路線バスを中心に、メーカ毎に展示内容を概説する。
・デンオーデステン
オランダのバス車体製造メーカであるデンオーデステンは、アライアンスシティB96(ロッテルダム向け)、シンターシティ車、それと屋外にB90を展示した。ニューモデルであるB96は、DAFの水平エンジンを後部左寄せで搭載するインテグラルタイプ。展示車はRETの特別仕様を多く含み、洒落た車内デザインとなっていた。他の2車は目新しさはない。
・メルセデスベンツ
ベンツのニューモデルは、ハノーバーショウと同様、13.4mの0405NULとインターシティ用O550である。前者は、O405NUのホイルベースを延長して全長を13.4mとしたもので、車内は段上げ部に2列シートが前から後ろまで並ぶ。後者はゼトラS315の兄弟車の低コストハイデッガー。この他、マイクロバス、ミニバス、マイ

 

 

 

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